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「編集長!警察からでーす」

 「編集長、1番に電話でーす」、「誰から」、「警察署って言ってますけど」、「うそ!なんで!」、「事件の調査だそうです」。

 恐る恐る受話器をとると、人当たりの優しい明るい声で、逆に怖い。

 「すいませんが、雑誌の販売部数でお伺いしたいのですが、新文化のベストマガジンは数字をどう読めばいいのですか」

 突然、何のことかわからないまま、ひと通りの説明を終えて、「いったい、何をお知りになりたいのですか」と聞くと、「事件として捜査段階だから、申し上げられない」といいながらも、その概況を伝えてくれた。

 つまりは、広告クライアントが、ある雑誌の公称部数に魅力を感じ、出広したのだが、販売部数が大幅に少なすぎる、というもので、警察に訴えてきた―そんなあらましである。

 公称というのは、そういうもので業界では、当り前に認知されているものの、他の産業や警察では、そんな基礎知識?もない。

 日本ABC協会に加盟する出版社のことや、企画・特集によってバラつきがある販売実態、各号毎に刷り部数そのものが異なる現実を警察にお話した。

 なんか、ヤバイこと言ったら、ヤバイことになるのかな〜、ちょっとおっかなビックリに言葉を捜していたが、丁寧な口調の警察の方は、「やっぱり、そんなものですか。皆さんおっしゃることは同じでした。わかりました。ご協力ありがとうございます」という。

 なんか安心した気持ちも正直あった。

 だけど、何も間違ったことは言ってない。

 なのに後ろめたい気持ちが残るのは何でなんだ、などと思っていると、「あっ、すいません、貴社の住所と貴方のお名前を教えて下さい」と聞かれた。

 「イヤです」とも言えず答えた。

 それにしても、これが警察の事件として取り上げられるものなのか、いったい、本当のところは何だったのか、受話器を置いてしばらく、考えさせられた。

 「丸島さん、貴方、偽証罪で逮捕します」なんてことないだろうな。

編集長 丸島基和

(2003/10/17)

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