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万引犯追跡で、また死者

 12月18日、愛知県豊田市上野町の書店で、逃走した万引犯を追った同店のアルバイト店員が追跡途中で倒れて、死去した。

 男性店長と2人で追いかけていたが、店長は途中であきらめていたという。

 死去したアルバイトの方の死因については、現在、司法解剖しているらしく、また、万引犯は捕まっていないという。

 いま、書店では、毎日のように万引犯との戦いがある。

 ある書店の女性社員はノイローゼになり、出社すると腹痛を感じるようになったという報告もある。

 川崎の新古書店で万引犯が死去してからまた死者がでてしまったこの万引問題は、ただならぬ事態にまで進行している。

 日書連、書・雑協でも、ポスター作成やICタグ実験で精力的な取り組みを行っているが、万引犯へどれだけ圧力をかけられているのかはわからない。

 今回の事件を書店はどう感じているのだろうか。

 出版社側でも「万引きも売上げのうち」などと笑ってはいられなくなったのではないか。

 実は事件があった4日前、12月14日に横浜市を中心に「万引きシンポ」が開催されていた。

 自治体や教育者、出版業界人など720人が集まり、マンガ作家の弘兼憲史氏、藤子不二雄A氏などがパネリストを務めた。

 はじめに行われた基調講演で中央大学文学部の矢島正見教授は、「書店の大型化が、万引きを一層しやすくさせている。買いやすさと、盗みやすさは背中合わせ」と述べた。

 大型の小売店は幾つもあるが、換金できる商品はそんなにあるもんじゃない。

 監視する人が少なくて、防犯タグがなく、死角の多い書店は、いま格好の餌食となっている。

 矢島教授は「万引犯は子どもから大人までで、男女比率は5対5」とし、警察が認知していない案件が最も多い日常的犯罪とした。

 大人の責任や、地域の連携、換金拠点となる新古書店への協力要請など─いくつかの改善課題は挙げられたが、どうにも時間がかかりそうである。

 すなわち、書店は明日も万引犯と戦わなくてはいけないのだ。

 地域の書店同士で捕らえた犯人の情報を交換しあい、顔写真を事務所に貼っておく、それぐらいしていかなければいけないとさえ思う。

 ところで、前回の「『ヤンヤの会』なくなるのかぁ。」で、「参加者が500〜600人、費用が300万円近くなるのか」と推測で書いたが、あとで取次の方から「あれは、1500人を超す年もあり、費用は700万円ぐらいだよ」と指摘された。

 規模を小さくしてしまってすみません。

 訂正をもって、今年の最後とします。全く締まりが悪いのですが、来年もよろしくお願いします。

編集長 丸島基和

(2003/12/26)

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