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85坪の書店を支える拍手

 12月5日、ブックス隆文堂の40周年を記念して行われた「高橋小織さん、順さんを励ます会」の終盤、高橋社長が挨拶を終えると、2列目のテーブルに座っていた書店・出版社の女性陣数人が席を立って拍手を贈った。

 それにつられてまた数人がウェーブのように席を立ち始める。進行役の講談社・工藤義之氏はそのちょっとしたハプニングに「みんな立とう」と呼びかけて、出席者80人全員のスタンディングオベーションとなった。

 みんなの手は自然に高橋社長の母、弘子さん、そして順さんに向けられ、拍手は何秒だったか定かではないが、本当に長く会場に響き続けた。

 ブックス隆文堂は都心から少し離れた場所に85坪で営業している。チェーン展開をしないできた単独店。全国の主要書店に比べれば、売上げだって突出して高い訳ではない、平均的な中小書店である。

 そんな本屋さんのパーティに福井・勝木書店の勝木健俊会長、甲府・朗月堂書店の須藤令子常務など、遠方の書店が上京してくる。出版社でも紀伊國屋書店佐賀店の開店式典を終え飛行機でとんぼ帰りしてきた人も少なくない。取次会社は帳合の栗田をはじめ、他に3社が顔を揃える。

 「えっ」と思う人もいたかも知れないが、みんな友人として招いているのだ。それが高橋小織流。だから会場では皆「小織ちゃん、順ちゃん」となる。

 ポプラ社、奥村傅氏の開会宣言のあと、祝辞に立った友人は結局13人にのぼった。

 幻冬舎の時田有希子氏は、高橋社長が電車のなかでブックス隆文堂のカバーをかけた本を読んでいる人を見かけると、自分の名刺を差し出して「ありがとうございます」と車内で頭を下げる一幕を紹介。

 元日販の石田恵子氏は、寒い冬の日に本を買いに来たお客さんの握りしめられたお金の温かさに感動した、という高橋社長の人柄を伝えた。

 南天堂書房の奥村弘志氏は父親として、オリオン書房の高田鉄氏は兄として、栗田の亀川正猷氏・郷田照雄氏はいわば保護者として皆、それぞれに“制限時間”を忘れてエピソードを語り始める。

 創業者・高橋隆司氏が他界されて六年半。若くして社長になった“小織ちゃん”を皆が助けようとしている。

 そして皆、口を揃えて結婚の心配をする。半ばあきれ顔の小織ちゃん。

 お節介で世話好きで、人情に厚いこの業界人たちはホントにもう何と言っていいのやら・・・。

 鳴り響く拍手のなか、記者でなくその仲間として誘ってくれたブックス隆文堂に感謝の気持ちで一杯になった。「ありがとう」

 

社長 丸島基和

(2006/12/6)

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