出版業界スケジュール 情報掲示板 連載コラム 編集長のページ 出版業界 専門紙 新文化

それでも歩く営業マン

 紀伊國屋書店や丸善、ジュンク堂書店、コーチャンフォー、宮脇書店に有隣堂。書けばキリがない程、大手ナショナルチェーンの大型出店が続いている。

 その開店に合わせて、出版社の営業マンは民族大移動のように動き、「挨拶」巡業に飛びまわる。

 出版社の皆さんはピカピカのお店を見て、自社商品の陳列や今後の売れ方を予想する。店長に「当たり」を付けて、担当者にも頭を下げる。

 「義理」を果たしてまた次の新店へ行く。そんな時に、隣にある既存書店に顔を出さないのが出版社の礼儀で、横目にみながらまた改めて訪店するのが通例になっているようだ。

 ある出版社の方は言う。「社内では会議に追われ、取次では条件交渉に誘導され、新規店の開店時には(店長さんなどは)忙しくて話しもできない」

 なにやら精神的なストレスが溜まっているようだ。

 別の出版社の方は「本が売れるとか、売れないとか以前の問題」として、不満をぶつける。

 取次には「部戻し」5%、「(書籍に)広告を入れる」と2%、文庫版または500円以下だと「なんとか料」で1%とられるという。原価40%で、委託の返品率は50%超、それで書店現場からは「こんなに高くちゃ売れない。1000円以下の定価にしてよ」と言われてる。

 「これでどうやって儲けんのよ」「文庫版で広告入れたら3%の正味下げです」「部戻しを入れたら8%下げです」

 定価を安くすれば刷り部数を増やして採算をとるしかない。しかし、店頭現場では平積みにしてもらって初日、二日目に結果がでないと三日目には返品される。

 なんだか、溜め息がでるような話しだが、それでも出版社の営業マンは今日も書店や取次会社に足を運んで頑張っている。

 営業マンのなかには、取次や書店の流通事情を知らない上司から「何をしているんだ。書店に行って遊んでいるんじゃないのか」と疑われている方もいる。

 まあ、そうじゃないケースもあるかも知れないが、書店員皆さん、たまには出版社の話しも聞いてあげてみて下さい。

 

社長 丸島基和

(2007/3/20)

バックナンバーへ

購読お申込み
「新文化」案内
会社概要
アクセス・地図
出版物
お問い合せ
メール送信
リンク

新文化通信社