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行きは環6、帰りは環7

 都内/山手線内のどこの駅を降りても、出版社や書店がある。しかし、会社の前まで行ってもなかなか寄れないことの方が多い。

 飯田橋や神保町なんかを歩いてれば、それこそ何十メートルおきに出版に携わる企業が並んでいる。時間があったら1分でも寄って挨拶だけでも、と思うのだが、そうもいかないのがもどかしい。


 ある日の早朝、取次会社の方とゴルフ場に向かっていた。休日、都内は空いているだろうということで首都高速の環状線をショートカットするように一般道を走っていた。

 すると助手席に座っている取次の方が「この角を曲がったとこに昔、あの出版社があったんだよ。その先にはいまナントカ出版ってあるんだけど、知らないだろうなあ」と言ってきた。

 そんなことに負けず嫌いな私は「なに言ってんですか。よーく知ってます。あそこの○○さんと私はもう古い仲なんです。何度も足を運びました」と言い返す。

「へぇー、じゃあ、あの信号を右にいった○○社は?」
「当然です。知ってます。昔、飛び込みでサンヤツ営業したことありますもん。それからの付き合いです。じゃあ、その近くの駅前にある小さいけどちょっといい本屋さん、知ってます?」
「なにっ、知らないのか。あそこはウチのお得意様だよ。あそこのご主人はねぇ・・・・。あっ、いま左にみえたビルはあの大手出版社の持ち物で・・・」

 もう、どうにも止まらない。声もだんだん大きくなってきて、車内が暑くなっていく。池袋付近から環状6号線で渋谷の先までこの調子。

「あのー、この辺で高速に乗りますけどいいですか?」と私。
「あっ、いいよ。面白かったね。帰りは環7から帰ろうよ」
 取次のその方は私に挑戦状を突きつけてきた。

「いいですよ。帰りは裏道で貴方が知らない出版社や本屋さんを教えてあげますよ」売られたケンカ!?は買うのである。


 その取次の方には本にまつわるいろんな話を教えてもらった。まるで自分のことのように語っていた。それは手柄自慢みたいなものでなく、その方の仕事そのものであるように思えた。

 

社長 丸島基和

(2007/7/26)

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