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ヒンヤリとした巨大空間のなかで

 「ハリポタ」最終巻が刊行されたが、7月はそれでも前年同月の実績を下回った書店が多いという。8月8日からは北京オリンピックが開幕するが、これも書店にとっては厳しい材料になる。

 オリンピックと本の相性は昔からどうも良くない。それは書店の方々が一番知っていること。皆さん「覚悟してます」という。

 前回は会場がアテネだったこともあり、テレビ中継が深夜だったことが多かった。しかし、今回は時差がほとんどない北京だから昼の視聴率は上がり、夜もニュースに釘付けになるだろうとの見方が大勢だ。

 だからといって指をくわえているわけにもいかない。取次会社のなかには液晶ハイビジョンの大型テレビを販売する社もある。オリンピックを前に地デジ対応のテレビはまだまだ需要がある。なんとも頼もしいのである。

 それにしても暑い。集中豪雨もあって異常気象である。土曜日は会社には出ず、もっぱら図書館。最近は夏休みで学生が多く閲覧室は満員だから、国立国会図書館に通っている。

 国会図書館の書庫は一般の来館者は入れないのだが、少し前、取材にお伺いした際に厚意でみせてもらった。国会のすぐ隣にある同館は地下8階まで掘られていて、エレベーターは鍵を入れて降りることになる。なんかドキドキである。

 「何階に行きたいですか?」。私はわけもわからず「一番深い地下8階からみたいです」

 扉が開くと、ヒンヤリ。そこは書籍、雑誌、新聞、映像資料、写真、絵画、楽譜などの永久保存を考えて、温度が22℃、湿度50%に設定されているという。140メートル以上の奥行きがある書庫はもう端が見えないぐらい広く、壮大な景色なのだ。

 戦前から収集したあらゆる書物が1200万冊。「八重洲BCが確か100万冊だっけ」「桶川SCMセンター、王子流通センターは・・・」なんて考えちゃうのが悪い癖だ。

 「本当はもっと温度を下げたいのですが、予算の関係もありまして、いまの設定になっているんです」とお話してくれる。「すいません、新文化はどこにありますか」と聞くと「こっちです」とすぐにたどり着く素早さ。まるで全部を覚えているかのよう。

 書庫棚の前にあるボタンを押すと何十メートルもある棚が「スー」と動いて、サンダーバード2号が出てくるみたい。

 新聞は1号ずつスチームアイロンをかけ、キレイに合本してくれている。40数年前の紙面を見ながら、その保管技術の凄さに感謝したくなった。

 「あのー、すいません。国会議事録は閲覧できるようですが、国家の外交・防衛に関わる秘密文書とかはどこにあるんですか?」とバカなことを聞いても、「あー、それはですねー」と丁寧に答えてくれる国会図書館でした。

 この書庫は見学ツアーがある。申し込めば18歳以上なら誰でも入館できるという。いまから60年前、国家が造った巨大な地下倉庫。ヒンヤリしたい方はこの夏、是非、一度ご覧になってみてはいかがでしょう。詳細はHPに書いてありますよ。

 

社長 丸島基和

(2008/8/6)

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