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講談社ってやっぱり凄い

 6月17日、講談社の創業100周年の記念パーティーが行われた。書店・取次会社など400人が全国から参集して、大盛況となった。これほど大掛かりな式典は90周年以来、10年ぶり。式典とパーティーの会場の広さを考慮して、椿山荘とフォーシーズンホテルを使う豪華な催しとなった。

 パーティーの後の2次会では書店からは、大日本印刷の買収劇やブックオフと出版社の関係などを危惧しながら「書店はこれからどうなっちゃうんですか」という質問が相次ぐも、皆さんの顔はいつもより明るい。
 「やっぱり講談社って凄い」って口を揃え、ウキウキしてるよう。

 私も中締めとなった夜の12時ごろまで、皆さんといろんな話をさせてもらったが、野間省伸副社長がテーブル毎に挨拶に回っている姿が一際目立った。後に聞くところによると、野間副社長はあれから午前2時まで書店の皆さんとお酒を飲み、その後、社員を集めて朝方の午前4時半まで反省会やら慰労をし、1人自宅まで歩いて帰ったという。

 そのまま泊る社員もいたらしいが、多くの社員は一端帰宅し、朝の8時半にフォーシーズンホテルに集合。書店の見送りをしたという。

 講談社では、「書店の人が一人にならないようにする。もし、そのような時は担当でなくても必ず声をかける」という打ち合わせをしていた。これはよく言われることだが、凄いと思ったのは、編集や広告、関連会社などに異動されていたかつての販売担当者も書店のために総出させたこと。昔の思い出話ができない若手社員を後方支援した。

 80周年、90周年は1000人規模だった。ホテルニューオータニをほぼ貸し切っていた。宿泊者が多いため、帝国ホテルにも部屋を用意したことがあった。翌日は旅行やディズニーランドなどのオプション、お土産もあり、費用はそれなりにかかったというが、それはここでは省略する。

 気を遣うのはまず、「部屋割り」。当時は例外を除き、2人部屋だったという。書店同士の相性を調査して慎重に決めた。困るのはキャンセルで部屋割りのやり直しを強いられたこと。また、ホテルのバーなど各種施設での応接、部屋に用意する夜食、突然「銀座に行きたい」という書店の対応、泥酔してからみ始めた書店人の応接…翌朝、荷物を送る宅急便の手配など。

 即時、判断しなくてはいけない時のリーダーは決めているが、当時は携帯電話が普及していない頃。その連絡の取り方にもマニュアルがあったという。

 ある大手出版社(ほとんど特定されるが)では豪華客船で書店の旅行を企画したことがあるが、「酔って海に飛び込みそうな書店人リスト」を作っていたという。それは出版社同士の共同リストとして活用。その「危ない人」にはマンツーマンディフェンスを敷く。ライバル同士の出版社たちは協調して安全面に細心の注意を図っていた。

 昔は書店経営者の夫人を対象にした「レディース会」なるものもあったが、出版社は満遍なく公平に声をかけなくてはいけない。1人に時間をかけると後のクレームになる。男性とは違う接し方が求められるらしい。
 化粧直しやドレスアップする時間が必要な時もあったという。

 海外旅行ではパスポートを忘れたり失くしたりする書店人が必ず出てくるという。日本大使館で緊急に再発行手続きする方法もマニュアルにある。いまはこうした会は少なくなった。今回、講談社でも10年ぶりだった。

 今回の100周年を振り返っても「本業以外にいろいろあるんです」という。そんな出版社の方の苦労は書店人には伝わりにくい。そして、当日はウキウキした書店から「5年後もやって」というリクエストされる。それをやんわりと丁寧にボヤかす。

 講談社や他の大手出版社っていろんな意味でやっぱり凄い。100周年パーティー、本当にお疲れ様でした。

 

社長 丸島基和

(2009/6/26)

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