出版業界スケジュール 情報掲示板 連載コラム 編集長のページ 出版業界 専門紙 新文化

子どもを支配する審判

 小学生の野球コーチになってもう6年が経つ。自分の子どもと野球がしたくてコーチになったのだが、抜け出せないまま時が過ぎた。今は4年生以下のBチーム監督として秋季大会に臨んでいるが、審判のジャッジにはいつも悩まされる。

 ノーアウト・ランナー2塁。3番バッターは1球目をファールしたあと、2球目を左中間の2塁打で同点とし、なおもチャンスだ。4番バッターが打席に入ると相手チームの監督が出てきて、「ファールのあとに審判がプレーのコールをしていなかったため、2塁打は無効」と抗議。

 審判がコールせずとも、明らかにインプレーの状況だった。その証拠に審判は打者が2塁に行ってなお、試合を進行しようとしていた。要は2塁打になったから行った抗議で、打たなければプレーは続いていただろう。公平なジャッジじゃないと分かっていても審判のミスであるから、私は黙って受け入れた。ベンチ裏にいる父兄からは背中ごしに「なんでぇ」という声があったが聞こえないふりをした。

 そして終盤、4年生のピッチャーを3年生に交代し勝利目前という場面で、また審判が私のところにやってきた。「彼の球には横回転がかかっているから、次の回からはストライクでもボールにします」という。

 確かにそうしたルールを持ち込む大会もあるが、今回はBチーム。まして小学3年生である。健気にも一生懸命投げているのに、どうでもいいようなルールを振りかざす。というのは、ボールの回転なんか審判の主観に過ぎないからだ。小さな手で腕を振れば横に回転することもあるだろう。

 どうやらその主審はベンチ横にある大会本部と相談してきたらしい。だから一層、頭にきた。表彰式では「青少年の健全な育成のために野球が・・・」とか言っているくせに、子どものことなんか何にも考えちゃいない。むしろ子どもたちを落胆させ、腐らせている。大人の権威を見せ付けて、本部の評価を気にする主審。自分のためにジャッジを変える。

 それでも試合を中断させてはいけないから耐えた。ストライクをボールにさせられる前に次の回からまた投手交代。そして勝った。

 と思ったら、相手チームの監督が5回までではなく、時間制でやるから「試合続行」とまた抗議。バカな大人はグラウンドには入ってこないでもらいたい。勝つために練習をするが、負けることは恥じゃない。子どもたちは大人たちの道具でもない。何があっても支配してはいけない。

 その日あった2試合は運良く勝てた。試合のあと選手たちと野球の話しを沢山して、彼らのやる気が私を元気づけてくれた。

 

社長 丸島基和

(2009/11/2)

バックナンバーへ

購読お申込み
「新文化」案内
会社概要
アクセス・地図
出版物
お問い合せ
メール送信
リンク

新文化通信社