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違いすぎる意識

さすがに男子レギュラーツアーのプロゴルファーは違う。飛んで行く球の見え方がアマチュアのそれと比較にならないほど綺麗だ。あるプロアマに参加した私は捩れないで真っ直ぐ回転していくそれが見たくてずっと後ろにあるティーグランドからグリーンまで付いて歩いた。自分の球なんかもう二の次だった。

違うのは打球音もだった。聞くところによるとインパクトでは、日本のレギュラーツアーレベルなら球の3分の1から半分まで潰してくる。タイガーウッズのクラスでは3分の2までは潰れているらしい。

その乾いた音はなんとも心地よいもので、今も耳から離れない。それはトーナメント観戦でも聞いたことはあるが、ほんの1メートルぐらいの距離で聞く音は迫力がある。

といっても、プロは全然振っていない。いたって普通のスピード。ただ普通のスイングをするだけ。雨の中、濡れた手袋でゆるゆるのグリップ。それでただ振り抜くだけ。風が強かったこともあり、プロは球の高さも作っていた。それが手に取るように見えてくる。

打った後にもティーは微動だにせず、低いティーショットを打ってくる。私もチャレンジしたが、やっぱり音が違う。でも、出せそうな気になっていた。同伴させてもらった他の書店のお二方も私と一緒にチャレンジしていたが、そう簡単ではないようだ。雨と風は次第に強くなっていったが、私にとっては至福の時であった。

プロは練習ラウンドを兼ねているので、邪魔をしないようにちょっとした隙をみて話しかけてはいた。でも、ホールを重ねてあれやこれやと取材≠ノ入ってしまう。「なぜ高いティーでフェードを打とうとしているんですか?」「なんでさっきのグリーン、一目で順目と分かったんですか?」「ピンまで20ヤード。芝が薄くてグチャグチャのライ。アプローチはどうするんですか?」

ラウンドを終え、ロッカールームに戻ると、プロたちはクラブやスパイクの手入れをしている。乾拭きをして湿気をとらないと、シャフトのなかからサビがでてしまうからだ。周りを見ればあちこちにピカピカにしたプロたちの道具が整然と並べられている。

風呂場に行ってもプロの姿はない。きっと誰にも目に付かない所でストレッチをしているのだろう。「疲れたー」といって湯船に浸かっているアマチュアとは全く違う。技術や音なんか以前にゴルフに向かう意識が違う。

もし、次にこうした機会があったとしても、私はもうプロにアドバイスを乞うようなことはないだろう。だって最初から気持ちが違い過ぎるのだから。

 

社長 丸島基和

(2010/3/31)

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