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Googleブック検索和解問題、「日本の書籍」も市販本と明言

Googleブック検索訴訟の原告である全米作家組合のポール・アイケン事務局長、同法律顧問のマイケル・ボニ氏、全米出版社協会の法律顧問のジェフ・カナード氏が5月27日、日本文藝家協会の主催による記者懇談会に出席し、記者からの質問に答えた。

絶版や市販されているか否かなど、これまで曖昧だった「日本の書籍の区分」については、書協や日外アソシエーツのデータベース、アマゾンジャパンなどのオンライン書店のデータを参照して、刊行中であると判断されれば市販中の書籍と明言。市販中の書籍はスニペット表示を含むすべての表示利用に供されることはなく、市販中の書籍を表示利用するには、「著者と出版社双方の了解を得た上で」と説明した。日本独特の「品切れ・重版未定書籍」についても、オンライン書店で「刊行中」などと表示されていれば、市販本として認定するという。

今回3氏が来日したのは和解案の内容などを著作権者に直接説明するのが目的。日本以外にもイギリスやドイツ、フランス、イタリアなどを同氏ら原告が訪問しているという。日本では書協や日本文藝家協会などの著作権団体を訪れ、和解によって得られる成果などを説明した結果、「成果があった」と語った。また、アメリカやアメリカ以外の国で50以上も会合を開いて説明した結果、「著者は和解に好意的な反応を示した。好意的でなかったのは和解案についてあまり理解されていなかったためのようだ」とした。

さらに、和解案成立の条件については、「和解案への参加・不参加は、(成立要件の)9つの要素のうちの1つで決定的なものではない。和解案参加者の反応も考慮する」と説明。各国を訪問した手ごたえとして、「何百万人もの著作権者がいると推測されるが、オプトアウト(和解案への不参加)を選ぶ割合は少ないとみられる」とも話した。

世界の著者・出版社などの権利者の代理人として機能する、非営利法人の「版権レジストリ」については、理事会メンバーにアメリカ以外の作家1人・出版社1人にも参加してもらう考え。世界各国から代表を選び、ローテーションで回す仕組みを考えている。さらに、「アドバイザリーボード」のポストを用意し、アメリカ以外の国の代表に参加してもらう仕組みも想定している。

著作権者の分からない絶版書籍などについては、著作権保持者を特定するために通知などで対処することを報告。さらに、「収益を分配する仕組みがあるので、すべてではないが、多くの権利者は名乗り出てくれるだろう」と話した。

ベルヌ条約を結んでいる多くの国を巻き込む「クラスアクション」(集団訴訟)を選択した件については、「各国の作家の本が(Googleの図書館プロジェクトで)スキャンされる対象になっていたため」と説明した。

 
(2009/5/27)
 
向って右から、カナード氏、ボニ氏、アイケン氏
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