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「書店は5000店程度に」/三洋堂書店・加藤社長が持株会報告会で市場予測
 

8月25日に開かれた三洋堂書店の取引先持株会報告会の席上、同社の加藤和裕社長は米国の書店状況から「書籍のネット通販シェアは30%へ向かい、単独書店のシェアは4分の1以下に縮小。店舗数は5000店が適正規模になる」と近未来の日本の書店環境を大胆に予測した。また、2012年の日本は書籍市場が7795億円と4年間で1083億円減少する一方、アマゾンの海外部門の売上げ推移から書籍のネット通販は3年後に2441億円に達すると推計。総売上高の縮小と相まって“もたない”書店が続出すると語った。そうした環境下でも小商圏・無競合立地や極限の省力化店舗オペレーションなどで生き残りを宣言した。

取引先持株会の活動報告では当初の規約のうち、取得株価の平均化のため、買付日を毎月18・19・20日の3日間に分散する。また、入退会に関しては年2回から1・4・7・10月の年4回に拡大した。株価推移については買付けの開始から31%上昇、回復基調にあると報告した。

続いて登壇した加藤社長は「09年3月期決算と今後の課題」をテーマにプレゼンした。民主党政権下の影響について「最低賃金を当面、800円に引き上げるとマニフェストで公約している。現状との差額は53円で、年間経費は1億0730万円の増加だ。景気状況の配慮を前提に最低時給1000円を目指すとしているが、そうなれば5億1220万円と売上高に対する経費は1.8%増で、10年3月期の予測経常利益がほぼ消える計算」と懸念を表明。その状況下で生き残れる“書店”はヴィレッジヴァンガードとブックオフだけと語った。

また、大日本印刷が描くビジネスモデルに言及し、「販売情報に基づき製造部数をコントロール、売れる本を売れるだけ生産する垂直統合モデルを構築しようとしているのではないか。返品率40%以上といった非効率な販売ルートを代替する仕組みづくりだ」と鋭く切り込んだ。

さらにアマゾンや大日本印刷に対抗するには、販売情報と物流の統合や〈配本型〉から〈受注生産型〉への転換、プライベートブランドの開発、取次と書店の機能統合など新たなスキームの必要性を訴えた。

当日は報告会の後、午後5時半から東京・後楽の東京ドームホテルの宴会場に席を移し、同社創立50周年記念懇親会も開かれた。

(本紙2009/9/3号掲載記事から)
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