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第3回 メディアドゥ
数百社と取引する電子取次/決済までワンストップ運用
 売上げの大部分をマンガ関連が占めるメディアドゥは、電子取次としてLINEマンガをはじめ、数百社に及ぶストア/プラットフォームや版元と組んでデジタルのマンガビジネスを牽引してきた。
 
 例えば電子コミックスの1巻無料や3巻無料、連載形式で配信して売り伸ばす施策などは出版社や電子書店と連携し、成果を挙げてきたものだ。
 
 版元からコンテンツを調達して電子書店に卸すのみならず、エンジニアを自社で抱え、配信エンジンやストアシステム、ビューア、データベース、決済システムとの連携、広告(アドネットワーク)やサイト運用までを1社で提供できる点が強みだ。
 
 「コンビニのチェーン店に加入すると、商品供給に始まり、レジ端末、宣伝、販売手法まで提供されるのと同じだと思ってもらえればわかりやすい」(取締役・溝口敦氏)
 
 LINEマンガに代表されるマンガアプリには著作権処理のデータベースやコンテンツ配信などのバックエンドを担うmd−dcという仕組みを提供、楽天マンガにはバックエンドもフロントシステム(アプリケーションなどを担うMDCMSというシステム)もフルで提供し、クライアントのニーズに柔軟に応えている。メディアドゥでは営業担当が各ストア、版元ごとに付く。
 
 「コンテンツを供給し、売上げデータを渡す純粋な取次としての役割だけでなく、システムやデータを使った販売支援も行っている。我々のところに集まるストア、出版社両方の膨大な情報を元に2〜3カ月先までの棚出し、キャンペーンを双方と考えている」
溝口敦氏 
 ストアの課題である「各企業にあった新サービスの展開は、権利許諾とそれがもたらす販売量のバランスの中で成立する」ことや、版元の課題である「無料キャンペーン施策は効果があるものの限界もあるため、新機軸を考える必要がある。ITとWEBを活用した新規タイトル育成やコンテンツ輸出の拡大」にも取り組んでいきたいという。
 
 また、電子書籍で無料試し読みを行うと、連動して紙のコミックスも動くが、紙の売上げはメディアドゥにはつかない。だがそれでもいい、と語る。
 
 「5年10年で見れば返ってくる。どんな媒体であれ、手に入れたい形で購入して欲しい。そもそも書籍の中で勝負しているのではなく、ユーチューブやゲームなど他の娯楽と勝負している。出版全体の取引量が減れば我々は成り立たない。読者を増やすための施策は、直接実入りにならなくてもやっていく。
 
 電子図書館事業、GEOと組んだデジタルのコミックレンタル、リアル書店店頭とのキャンペーン連動などは、いずれも全体のパイを増やすため。最近では活字に触れる時間を増やして欲しいと、要約サービスの『フライヤー』を買収し展開を加速させている。長い目で書籍文化に貢献するお手伝いをしていきたい」
 

(飯田一史・ライター)

(2017年2月13日更新  / 本紙「新文化」2017年2月9日号掲載)
飯田一史プロフィール
1982年生まれ。文芸とサブカルチャーを中心に活動するライター/編集者。著書に『ウェブ小説の衝撃』(筑摩書房)、共著に『ビジュアル・コミュニケーション 動画時代の文化批評』『ポストヒューマニティーズ 伊藤計劃以後のSF』などがある。
               
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