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第16回 「『集英社文庫』30周年企画説明会に出席して」

 「集英社文庫」の背表紙は文庫担当の書店員を泣かせがちでした。日に焼けやすく色が落ちてしまうからです。焼けていない新刊と混在した棚は見た目があまりよろしくありません。特に唯川恵さんのピンクの背は白っぽくなりやすく、入れ替え作業に忙殺されてきました。

 そんな集英社文庫が30周年を迎えるにあたって、背表紙デザインを一新してくれることになりました。色合いも統一してくれるとのことで喜んでおります。

 言わば棚は白いキャンバスで書籍は絵の具です。拡材とゆう画材を駆使しながら、書店員は常に更新される一枚の絵を描き続けます。完成することは永遠にない果てしない作業ではあります。版元さんが良質な絵の具を提供してくれることで、画家の筆は冴えるはずです。情報を集めてセンスを磨いておかねばなりません。画材負けするわけにはいきませんから。


 脱線してしまいました。「集英社文庫」の話です。

 先日都内で関東圏の書店員を集めた30周年の企画説明会がありまして、参加させていただきました。着慣れないスーツのせいか若干気持ちがぎくしゃくしました。集英社のトップの方々の熱意がひしひしと伝わったものの、具体的な現場の人間とのやりとりのようなものは一切ありませんでした。日常的にはとても良くしてくれていたのですが、当日はコミュニケーションがうまくとれず、残念でした。勉強会的な要素もあるのかと思っていたので拍子抜けしてしまいました。この手の席は初めてだったので、ある意味勉強になりました。

 後半は懇親会とのことで立食パーティーになりました。自分は参加しましたが、自店に帰って棚と向き合った書店員をこそ集英社さんは大事にするべきなんだろうなあ、とぼんやり考えました。チェーン店ごとに人の輪が出来ていて単店の自分は社交性を発揮することもままならず、ぽつねんとしてしまいました。非常に売れている集英社文庫『ショートソング』の著者、枡野浩一さんにメッセージを頂いたフリーペーパー「ルーエの伝言4号」を、トップの方々を含む居合わせた人達にばら撒けるくらいの度胸があればよかったかな。

(2007/2/9)

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