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第17回 「仕掛けの心得」

 自分の担当は文庫と新書です。書店員としてのキャリアを積んでいく入り口にふさわしいジャンルかとおもわれます。それは効率よく広く商品知識を得ることができるからです。将来的に担当が変わっても得たものを応用しやすいのではないでしょうか。


 仕掛け販売という売り方があります。基本的には多面で陳列できうる量の既刊本を仕入れて、大きく展開する事となります。これぞ!という一球入魂な本を選び、ここぞ!というアピールするに相応しい場所で展開し、こんなに!とスリップがあがれば大成功なわけです。

 この売り方が適しているのは俄然単価の低い文庫・新書です。そのようにして書店先導でスマッシュヒット、ベストセラーになった商品はけっこうあります。起源を辿ると、もはや伝説的とも言える新潮文庫『白い犬とワルツを』の成功があります。POPの効果を実証した例でもありました。そうです、仕掛け販売には拡材(POP・パネルなどの販売拡張材料)が欠かせません。

 同じく新潮文庫、星新一の『ブランコのむこうで』、小学館文庫『感染』なんかもヒットしました。その『感染』を最初に仕掛けた明正堂上野アトレ店さんをこっそり(?)視察させていただいた事がありました。なるほど、これは買いたくなると唸りました。いわゆるワゴン積みに圧倒されたうえに衝撃なのが、一冊ごとに手書きの帯が巻かれていたんですよ!おみそれだけしているわけにもいかなく、これはうちでもやらなくてはと慌てました。


 そんな書店発のヒットの火に油を注いで全国区にしていくのが版元さんや、取次販売店さんからのファックスです。「○○書店で週売30冊!今すぐ注文を!」とうたったものが流れてきます。それを見る度に若干くやしくて、うらやましくなります。是非当店の名前を踊らせたい!そんな野望を燻らせております。

 光文社文庫に『死亡推定時刻』というタイトルがあります。手にしたところなんとなくイケルのでは(!?)とおもい仕掛けてみると、こんなに!とスリップがあがりました。全盛期の東野圭吾『手紙』並の売れ方です。取次販売店さんの目にもとまって、ファックス注文書を拵えてくれたそうです。光文社さんも是非!その際は当店の名前を!!

(2007/2/23)

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