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第100回
お客様からのご意見です
 大阪でのLIVEに駆けつけるため、夜行バスを使った。初めて利用したW社は、ネットで予約をすれば、送られてくるメールがチケット代わりになる。これなら発券の手間も、紛失の心配もない。しかも発車30分前にはそろそろですよメールが届く。
 
 全席モニター付きでシートはゆったり。ドライバーも親切で、安心して命を預けることができた。と大絶賛する私だが、渡された利用者アンケートは当然のようにスルーした。
 
 今ここに書いたことを伝えれば、W社の人が喜ばないはずはない。運転手の疲れだって吹き飛ぶだろう。お客様からはこんなお声をいただいております(37歳・女性)などと広告に使えたかもしれない。
 
 書店に限らず、接客仕事にはお客様からのご意見が付き物だ。これが大抵、褒められない。よくこんなにバリエーションがあるなというくらい、叱られまくる。
 
 だが、その10倍も100倍も、喜んでもらえた瞬間があったはずなのだ。そうでなければ、お店はとっくに潰れている。
 
 この連載も100回続いているがウェブ版の「いいね!」はほとんど押されない。確かにイマイチの時もあった。だが、毎回クソみたいな文章なら、今こうして読んでいただけてはいないはずだ。違うか。どうしてだ。どうしてポチンと押してくれないんだ。
 
 他人を褒めることを面倒がってきた自分のことを棚に上げて自分を褒めてもらおうとするのは、虫が良すぎるということなのか。
 
(三省堂書店神保町本店/新井見枝香)
 
(2018年6月4日更新/ 本紙「新文化」2018年5月31日号掲載)
               
 
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