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第114回
占い師のたまご
 深夜の繁華街、シャッターが下りた店の前で「手相占い」の看板を見かけると、思わず尋ねてみたくなる。私のモテ期ではない。どうしてあなたは占い師になったのですか、と。
 
 『引きこもりがスカウトされて占い師になったら人生が一変した話』(竹書房)は、漫画家で占い師の卯野たまごさんによるコミックエッセイだ。引きこもりだった彼女は占い師に声を掛けられ、ほぼ直感だけで手相を見始める。そして路上に座って多くの人を占っていくうちに、自然とコミュニケーションがとれるようになったのだ。
 
 ゲストに卯野さんをお招きした新井ナイトは、告知した晩には予約が埋まるほどの人気だった。スクリーンに私の手相が映し出され、それを見本に、基本的な線や読み解き方を学んでいく。なんだか思ったより簡単だ。なんだか読み取れる気がしてくる。
 
 もうこの時点で、隣の人の手相でもいいから見てみたい。そして誰かに自分の手相を見てもらいたい。卯野さん曰く「手相はコミュニケーションツール」だ。そして私は日々、売場で問合せを受けるたびに、実感している。「コミュニケーションは最強の販促ツール」だと。
 
 書店員である私は、路上に座る必要などない。問合せを受けたら、手相占いで答える。これが修業となり、当たると評判を呼べば、こんな本が売場に並ぶだろう。
 
 『書店員がコミックエッセイを読んで占えるようになったら売上げが急上昇した話』
 
(三省堂書店神保町本店/新井見枝香)
 
(2018年12月26日更新/ 本紙「新文化」2018年12月20日号掲載)
               
 
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