出版業界 専門紙 新文化 出版業界スケジュール 情報掲示板 連載コラム 編集長のページ
第120回
そこに書いてあるのに
 持ち場の2階にいると「あのう、お会計は…」「恐れ入りますが1階で…」というやり取りを、1日20回は繰り返す。ポスターは掲示しているが、各階にレジがあった頃の記憶が強いのか、なかなか認識してもらえない。もう7年前の話なのだが。
 
 気取ったカフェで「お会計はテーブルで」と書いてある伝票立てから伝票を取って、席を立ってしまうアレだ。スーパーのレジで「このレジはカード使用不可」と書いてあるお皿の上にクレジットカードを置いてしまうアレ。思い込みは、人間の目を節穴にする。
 
 「この本が棚にない」と言われると見つからないが、「この本が棚にあるはずだ」と言われれば、あると思っているから見つかりやすいのである。
 
 しかしレジの場合、お客様はあると思って探しているので、ないという事実がなかなか受け入れられない。
 
 20人中18人の第一声は「ふぁ?」とか「ひぇ?」の聞き返しである。
 
 思い込みで節穴になるのは、目だけでなかったのだ。
 
(三省堂書店神保町本店/新井見枝香)
 
(2019年4月1日更新/ 本紙「新文化」2019年3月28日号掲載)
               
 
購読お申込み
「新文化」案内
会社概要
アクセス・地図
出版物
お問い合せ
メール送信
リンク

新文化通信社