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第121回
出張の宿題
 書店チェーンに勤める会社員の出張といえば、新規出店の手伝いである。名古屋本店の開店時には、ひたすら棚詰めをした。しかし今度の名古屋出張に、作業用ジャージはいらない。自著のトークイベントを、念願の七五書店で開催する。
 
 開始前に棚を見ていると、鼻の奥がツーンと痛んだ。ぼやけてくる視界を必死にこらす。ストリップ小屋の踊り子が、その瞬間誰も見ていないであろう指先を、ピンと反らすのに似た美しさがあった。この表現、伝わるだろうか……。
 
 トークを始めると、やけに客席が近い。なにしろ壁棚前の丸椅子が舞台で、商品をどかした平台が客席なのである。私もそこに座ってみたい!
 
 おまけにサプライズ企画で「ういろう」の食べ比べも用意されていて、各社のういろうにコメントし、ご当地感たっぷり、お腹も満たされて、出張って最高だなぁ、なんて思って帰ってきたわけだが、私の棚はあれほど美しいだろうか。
 
(三省堂書店神保町本店/新井見枝香)
 
(2019年5月10日更新/ 本紙「新文化」2019年4月11日号掲載)
               
 
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