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第122回(最終回)
書店は空き地ではない
 人間が集まってワイワイやるには、場所とお金が必要だ。ファミレスは注文をしないと追い出されるし、カラオケボックスに入れば歌わなくても料金は発生する。書店は入場無料だし購入の義務もないが、ワイワイするならそれなりの準備と約束が必要だ。
 
 場所を作るには人手が必要で、作ったからには、そこで売れたかもしれない分の利益を取り返さなければならない。だから、書籍の購入を参加条件とすることが多い。
 
 しかし、「対象書籍をもうアマゾンで買ってしまったのだが参加はできるか?」と質問されることは少なくない。参加したいイベントのために、持っている本をもう1冊買うことは、そんなに嫌なことだろうか。
 
 楽しくワイワイへの参加費だと思えば、本が手元に残ることなんてお得でしかないと思うのだが。
 
 書店はその本を仕入れているから、丸ごと運営費になるわけではない。店舗の家賃も人件費もかかっている。
 
(三省堂書店神保町本店/新井見枝香)
 人間は人間を楽しませることが得意な生き物だ。だが、大抵の「楽しませてくれること」は、誰かの仕事によって成り立っている。どういうからくりか、様々なエンタメが無料で楽しめるようになった今、少なくとも私は、そのことを決して忘れてはいけないと思っている。
 
 
(2019年5月13日更新/ 本紙「新文化」2019年4月25日号掲載)
               
 
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