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第70回
土曜日の“朝から会議”
 営業本部では、人生初の土日定休。しかし手帳には、土曜の朝から「会議」とある。相手は出版社でも取次でもない。だから出社もしない。それでもちゃんと着替えて化粧もする。決めた開始時間は厳守だ。
 
 今日もよろしくお願いいたします。会議室は私の部屋で、相手は「私」。いつもご飯を食べるテーブルには、A4の紙とペンを用意している。コピーライターの梅田悟司氏『「言葉にできる」は武器になる。』(日本経済新聞出版社)は、ぱらっと見て、めんどくさーいと思った。言葉や会話に関する本は、すぐに実践できるタイプが主流だ。
 
 しかしこの本は、実践編にたどり着くまでに、150頁もの長い道のりがある。なぜ今のトレンドと逆行した本を出すのかが気になって、購入した。そして、冒頭の会議につながる。
 
 今日の議題を決めて、紙1枚に1つ、頭に浮かんだことを書いていく。
 
 書いた紙を分類し、さらに自問自答を重ね、紙をケチらず、もりもり消費していく。紙の厚さの分、自分の「内なる言葉」に近づいていく。この「方法」を具体的に教えてくれるのが、その150頁だったのだ。
 
 私はいったい言葉で何を伝えたいのか。そのいちばん大事なところを疎かにして、小手先だけの会話本を読んでいても、すぐにボロが出てしまう。
 
 考えは常に変化するものだから、毎週土曜の朝は、いつも「予定アリ」だ。
 
(三省堂書店/新井見枝香)
(2017年2月27日更新/ 本紙「新文化」2017年2月23日号掲載)
               
 
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