出版業界 専門紙 新文化 出版業界スケジュール 情報掲示板 連載コラム 編集長のページ
第89回
その袋、必要ですか?
 コンビニで紙パックのコーヒー牛乳を買ってから出勤している。缶コーヒー1本の場合、「そのままでもいいですか?」などと聞かれるのだが、500ミリリットルタイプは別添のストローが必要なので、店員は何も聞かずに流れるような動作でビニール袋に入れる。
 
 「あっ!」と思ったときには遅かった。電子マネーでの会計は済んでいる。あとは紙パックとストローが入った袋を受け取るだけ。後ろには会計を待つ長蛇の列。
 
 職場は目と鼻の先で、たった2分後にはその袋を捨ててしまうのだが、今さら言えなかった。「袋いらないです」とは。
 
 書店のビニール袋も、入れてくれたのでそのまま受け取ったが、よく考えたら別にいらなかったという人は案外多いのではないだろうか。
 
 車で来ているとか、目の前の駅から電車に乗って今すぐ読もうとウズウズしているとか、袋がいらない状況はいくらでも思いつく。
 
 そう思いつつ先日、隣駅のスーパーに行ってみたら、レジで「袋は2円です」と言われた。立派な水菜を98円で買ったのだが、エコバッグはない。
 
 それでも私は「袋はいらないです」と答えた。むき出しの水菜は、見ようによっては花束に見えなくもない。
 
 もしこの「袋は2円」システムを書店に導入できたら、一体経費はどれだけ削減できるのだろうか。小脇に抱えて様になるのは、断然水菜より本である。
 
(三省堂書店/新井見枝香)
 
(2017年12月7日更新/ 本紙「新文化」2017年11月30日号掲載)
               
 
購読お申込み
「新文化」案内
会社概要
アクセス・地図
出版物
お問い合せ
メール送信
リンク

新文化通信社