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第94回
お買い物カゴの常識
 店内に設置されたカゴを、お買い物中のお客様が商品の上にポンと置くのは「アリ」か「ナシ」か。さぁみなさん、お手元のボタンを押してください。どうぞ!
 
 …という調査をしたら、一体どんな結果になるのだろうか。
 
 本を風呂に持ち込んでシワシワにしようが、ドッグイヤーをしまくろうが、買った本はその人の好きなようにすりゃいいと、心から思う。
 
 私が売場でそれを気にするのは、誰かがお金を出して買う予定のものだからである。
 
 だが、お客様にお声掛けをすると、キョトンとされることが少なくない。売り物をカゴの下敷きにすることに、全く抵抗を感じていないようなのである。もしかしたら、床に置くことで通行の妨げになると、気を使った結果なのかもしれない。もちろん、スーパーでイチゴの上にカゴを置いたりはしないのだろう。
 
 何も気難しいラーメン屋のように、麺をすする前に必ずスープを一口味わえとか、私語厳禁とか、こちらの要望を押し付けたいのではない。みんな気楽に、自由に買い物をしてほしいと思っている。困ったなあ…。
 
 床にも本の上にも置かず、片手を塞ぐことなく商品をレジまで運ぶには、もう宙に浮くしかない。たとえば筋斗雲のようなものが必要だ。それがあれば、我々も重ねた大量のカゴを抱えて運ぶ必要がなくなる。号令をかければ筋斗雲カゴ≠ヘ、マッハ1・5でそれぞれの持ち場に戻るだろう。
 
(三省堂書店神保町本店/新井見枝香)
 
(2018年2月26日更新/ 本紙「新文化」2018年2月22日号掲載)
               
 
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