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第1回 「独占禁止法と再販制度」

 独占禁止法(正式名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」という)は、事業者が他の事業者と共同して商品の対価を決定し維持することを、不当な取引制限に当たる行為として禁じている。

 このことを出版業に即していえば、卸売り・小売り段階での安売り乱売やそれに伴う商品の質の低下を避けるため、出版社が契約により取次会社、書店と共同して価格を決定し維持すること(再販売価格維持行為)により全国一律の価格で販売することを例外的に認めて、独占禁止法の適用除外とする制度である。

 1947年(昭22)に制定されたわが国の独占禁止法では、再販売価格維持行為を不公正な取引方法として禁じていた。1953年(昭28)の独占禁止法改正により、著作物の再販売価格維持行為を法律に明記して原則違法である再販制度の対象から除外し、さらに公正取引委員会が指定する日用品などの指定商品が適用除外の対象とされた。適用除外となったのは、1.公取委が指定する指定商品と、2.法定商品である「著作物」である。

 適用除外とされるのは、後で述べるように再販制度実施のためにする「正当な行為」である。そのような行為でも、一般消費者の利益を不当に害することとなる場合と生産者の意に反して販売業者が実施する場合には独占禁止法の適用があり、生活協同組合などの取引には、再販制度を導入できないことになっている。

 独禁法23条の規定では、「著作物を発行する出版社又はその発行する物を販売する出版社が、その物の販売の相手方である取次会社あるいは書店とその物の再販売価格を決定し、これを維持するためにする正当な行為」についても、これを適用しないことになっている。これが第23条による著作物再販の適用除外である。

 この条文の規定によって、著作物(出版物)は定価販売が可能となっている。ここで第4項にいう「正当な行為」とは再販売価格維持契約を締結し、再販売価格の遵守を契約上の義務とすること、つまり出版社と取次会社、取次会社と書店、取次会社と取次会社というように、相手方がその販売先と再販売価格維持契約の締結を義務づけること、さらに契約違反に対する制裁等がある。

 再販制度は、そもそも独占禁止法違反であるから、出版物の定価販売を可能にするには、独占禁止法の適用除外として再販契約の締結を認める必要がある。

 指定商品についていえば、現在指定がすべて取り消されている。法定商品である「著作物」は具体的には、書籍・雑誌、新聞及びレコード盤・音楽用テープ・音楽用CDの6品目に限定して解釈・運用されている。

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