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第2回 「適用除外再販」

 わが国の独占禁止法では、商品の販売において、その対価を共同して決定し、維持すること、つまり当該商品の再販売価格を決定し、維持する行為は不公正な競争方法(不当な取引制限)に当たるとして、原則禁止している。

 著作物の場合は、第23条に一項を設け、法の規定によって再販維持を認めている。公正取引委員会の指定する商品であって、その品質が一様であることを容易に識別することができる商品、かつては、1000円以下の化粧品、医薬品の一部等9品目に及んだが、現在、公正取引委員会の指定する商品は存在しない。独占禁止法の適用除外として再販制度が認められる商品は著作物のみである。著作物は法律に明記された再販商品として定価販売が可能となる(このことが法律に明記されているので法定再販といわれることもあるが、この表現は誤解を招きやすい)。上記したように、もともと商品の販売において、対価を共同で決定し維持すること、つまり再販売価格の決定・維持ということは独占禁止法により不当な取引制限であるとして禁止されている。いわば再販制度は独占禁止法違反であるとして禁止されている。

 現在、適用除外の対象とされる商品は、著作物のみである。この適用除外を規定した同じ第23条第5項で、再販売の相手方たる事業者には法律の規定にもとづいて設立された団体を含まないとしている。いわゆる除外団体で、農協をはじめとする共済組合、協同組合以下多くの団体が再販売価格維持契約の当事者にならないのである。契約をしないから定価販売を守る責任はなく割引で安く売ることができる。


 上に述べた適用除外再販の骨組みを要約してとりまとめると、以下のようになる。

(1)再販制度を実施できる商品は、一般消費者により日常使用されるものであり、かつ自由な競争が行われていると認めて公正取引委員会が指定したものに限定される。ただし著作物については指定を要しない。公正取引委員会が指定した再販商品は、昭和28年以降9品目に及んだが、現在では、法が規定する「著作物」のみである。

(2)適用除外とされる行為は、その品質が一様であることを容易に識別することができる商品(商標品)の生産者などが単独で指定商品の再販売価格を決定し維持するためにする正当な行為に限定される。著作発行物についても同様とする。

(3)適用除外とされる行為であっても、一般消費者の利益を不当に害することとなる場合および販売業者が生産者の意に反して割引を行う場合には独占禁止法が適用される。

(4)特定の法律に基づく消費者の相互扶助組織(生活協同組合)などとの再販契約は適用除外とされない。

(5)再販契約を実施したものは、公正取引委員会に届出る義務を負う。ただし、著作物については届出を要しない。(届出は、現時点ではいずれにしても必要なくなっている。)

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