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第6回 「再販制度はなぜ必要か」

 再販制度の是非を論じるについて、まず議論の対象とされるのは、出版物の文化性であろう。その文化性とは取りもなおさず文化と人間との間の営みそのものであり、そこに凝縮された一点一点が新しい価値の創造とでもいえるのではなかろうか。出版物は刊行された著作物の内容によって価値がきめられるが、それはあくまでもその中身そのものであり、他の商品のようにその物の市場メカニズムによって決まるものでもない。すべての出版物が一般にいうような物の市場交換価値とは異なったものであり、著作物の価値はなにであるかを充分に検討してその価格は決められる。

 再販制度がその時代の文化に根を下ろしていく様子を論じるに当たって、本も石鹸もトイレットペーパーも同じく文化だといわれたことがある。むしろ、文化の価値の尊重と競争政策とのあいだには、相互に相容れない部分が存在するとの認識の上にたって議論を絞り込まないと混乱してしまう。混乱ばかり増えてしまう結果となる。

 再販制度は、書店を守る制度であるかのような捉え方をする議論があるが、あくまでも究極的には憲法で保障されている言論の自由や、国民の知る権利を守るための制度であるという考え方が前提となるべきものである。あくまでも著者と読者をつなぐための制度であるとの観点に立って運用すべきものであろう。再販制度を、国民の知る権利を守るための試金石と位置づけて、再販存置が決まるまでの議論を一歩超えた階段を登るための方法手段を考えるべきであろう。

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