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第8回
そういうことじゃないんだが。
 「お1人様1冊限り」と表示している商品を、レジに1冊ずつ何度も持ってくる人がいる。並び直せば生まれ変わって別人になります、という謎設定に付き合う義理はないが、そこまでする人はそれを相当欲しいはずなので、下手に指摘すると逆上される場合がある。(経験ありまくり)
 
 芸能人のサイン本や、魅力的な付録の雑誌などに店側が購入制限を設けるのは、即完売を避け、多くの人に喜んでもらうためであり、転売を防ぐためでもあるのだろう。だが、ひとりが100冊買っても100人が1冊ずつ買っても利益は変わらないし、むしろ業務は買い占めてくれたほうが楽である。基本的に、買った本をどうするかは買った人の自由だとも思う。もはや購入制限は買い手のためというより、売り手の気持ちの問題であり、気持ちレベルのルールに揺るぎない正解などないのであった。
 
 どうしたものかと同僚に相談したら「私は自分がやられて嫌なことはしないようにしています」と当たり前のことを言われて、まあそこを軸にすりゃ揺らぐこともないわな、とスッキリした。何も解決していないが、とりあえず中華のランチバイキングで好物の海老マヨを独り占めするのは止めようと思う。

(新井見枝香/HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE)

(2019年9月5日更新  / 本紙「新文化」2019年8月29日号掲載)
               
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