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第4回
韓国発学習マンガが小学生に人気、「サバイバルシリーズ」朝読でも
 韓国発の学習マンガ「科学漫画サバイバルシリーズ」(朝日新聞出版)は、原著が2001年に刊行されると、たちまちヒット作になった。版元である大韓教科書(現在はミレエヌとルーデンスに分社)が朝日新聞出版に企画を持ち込み、日本では08年から刊行を開始した。
 
 初版8000部のスタートだったが、年間6、7冊新刊を出し続けるうちにジワジワと広がり、11年には累計50万部、12年には100万部を突破。現在は毎年100万部ペースで発行部数を増やし、累計850万部。フェアを年3回、2000店で実施している。
 
 同シリーズは、マンガながら「朝読」でも読んでいい本に入っており、平成29年度「『朝の読書』で読まれた本ランキング」では、小学校部門で第2位となった。とくに読者が多いのは小3、小4で、読者ハガキの返りの男女比は7対3。「コロコロコミック」や「かいけつゾロリ」をよく読む年齢とほぼ重なるが、主人公はおバカだがやるときはやるタイプで、コミカルさに富む点が共通している。
最新刊の「飛行機のサバイバル(1)」
 
 「歴史や偉人ものの学習マンガの大半とは異なり、主人公は子どもで、大人に指示されてではなく自分たちで道を切り拓く。また日本の学習マンガでは、なんでもマンガの中で説明しがちだが、本シリーズは、ストーリー部分はハラハラドキドキ、ギャグ満載で、章の合間に解説コラムが入るスタイル。子どもは最初はコラムを読まないかもしれないが、繰り返し読むうちにコラムも読んで、覚えた知識を親に語ると親御さんたちは『よく知ってるね!』と驚く。お子さんだけでなく、保護者の方から感謝のハガキも、たくさんいただきます」(朝日新聞出版サバイバルプロジェクト室・須田剛室長)
 
 AI、アレルギー、大気汚染といった、その時々のニュースで話題となるテーマを扱った新作が出されている点も、子どもの心に刺さる理由だろう。
 
 「ファンクラブ通信や壁新聞コンテストでは、子どもたち自身が考えたサバイバルの題材や記事を募集していますが、そうした情報は本国にも伝えています。東日本大震災後に『原子力のサバイバル』が描かれたのは、そういう背景もあります」(須田室長)。
 
 また、日本で学習マンガの原作などを制作するチーム・ガリレオが文を担当し、絵を「サバイバル」の作画担当が手がけた「5分間のサバイバル」シリーズや、同じくチーム・ガリレオがストーリーを担当した日本オリジナルの「歴史漫画タイムワープ」シリーズを立ち上げるなど、横の展開も進めている。
 
 「今後20年、30年続くロングセラーに育て、将来のノーベル賞受賞者や宇宙飛行士が、『子どものころ読んだ』と言ってくれるような、科学に対する好奇心に火をつけるタイトルにしていきたい」と須田室長は抱負を語る。

(飯田一史・ライター)

(2019年7月18日更新  / 本紙「新文化」2019年7月4日号掲載)
飯田一史プロフィール
ライター。 文芸とサブカルチャーを中心に取材・執筆を手がける。著書に『マンガ雑誌は死んだ。で、どうするの?』(星海社新書)、『ウェブ小説の衝撃』(筑摩書房)などがある。
               
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