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第33回 ストリエ
自由度高い新型サイト
 ストリエは、縦スクロールで読み進める、トークアプリ風のUI(ユーザーインターフェース)を採用した、閲覧・投稿サービスである。文字だけでなく、挿絵がつき、会話部分はフキダシが表示され、本文の場面に合わせて背景を切り替えることができる。
 
 投稿は現状、PCからしかできないが、閲覧は圧倒的にスマホ用アプリからが多い。運営はインデックス。2015年5月からβ版を運用し、11月に正式スタートした。KADOKAWAをはじめとした版元が刊行しているライトノベルや女性向け小説をストリエのフォーマットにアレンジして公式配信しているほか、一般ユーザーが小説とイラストを投稿もできる。出版社による既刊作品のプロモーションツールとしての側面と、CGMとしての面、2つの顔を持つサービスだ。
 
 公式と投稿の閲覧割合は6:4、ユーザーの男女比は6:4程度だが、アプリのリリース以降、女性の比率が増えている。年齢では10代〜24歳までが約50%、25〜35歳が約30%、それ以上が20%前後。サービス開始3カ月で登録クリエイターは約2万人、投稿作品は約1万。
 
 ストリエは基本的には小説投稿・閲覧サイトだが、小説以外の読み物も扱える自由度が最大の特徴である。
 
 「投稿作品にはもちろんラノベも多いのですが、他社サービスではあまり見られないものとして、トーク形式のUIを活かした、コントや漫才風の掛合いのネタ、子育てエッセイや簿記などの解説もあります。また、SEGAさんにはストリエを使ってゲームの説明やキャラクター紹介などに利用していただいています。小説に限らず、このフォーマットは色々なかたちで活用してもらえると思っています」(インデックス事業開発部チームリーダー・中村夏日人氏)
 
 公式配信作品でも、アニメ化されたラノベだけでなく、独自のUIにマッチしたTRPGのリプレイや、怪談ものなどが予想以上の人気になっているという。
 
 「出版社の方には単に小説を配信するサイトというより、マンガ化や映像化とはまた違う、ひとつのメディアミックス先として考えてもらえれば」
 
 インタビューの配信にも向いているだろうから、雑誌を代替する、あるいは雑誌や本に誘導するメディアとしても活用できるかもしれない。
 
 「マンガでは書店にプロモーション用の小冊子が置いてあることがよくある。詳細はまだ発表できないが、書店と連携し、あれのストリエ版を実証実験的にやっていきたい。立ち読み代わりに使ってもらい、リアル書店で本を買う導線を作りたい」(インデックス執行役員・田辺隆也氏)
 
 ストリエならではの書籍化企画やメディア展開も検討中だ。作家・作品の発掘、育成から書籍化、プロモーション、映像化まで、「小説家になろう」や「E★エブリスタ」とは異なるエコシステムを築けるか。正式に始まってから間もないサービスだが、期待が持たれる。
 
(飯田一史・ライター)
(2016年3月4日更新/ 本紙「新文化」2016年3月3日号掲載)
飯田一史プロフィール
1982年生まれ。文芸とサブカルチャーを中心に活動するライター/編集者。著書に『ウェブ小説の衝撃』(筑摩書房)、共著に『ビジュアル・コミュニケーション 動画時代の文化批評』『ポストヒューマニティーズ 伊藤計劃以後のSF』などがある。
               
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