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第4回 「この厄介で甘い一日」

 年末年始のどこか浮ついた空気も鳴りを潜め、やっと日常が動き出した今日この頃。ご挨拶が遅くなりましたが、本年も一層のお引き立ての程、よろしくお願い致します。


 さて。
 クリスマスからお正月、世間の宗旨変えの早さには毎年閉口するばかりですが、一難去ってまた一難、もとい一イベント去ってまた一イベント。そろそろ本格的に乙女の戦・バレンタインの季節です。

 2009年のバレンタイン市場は不況もどこ吹く風、本命用・義理用・自分用(!)と、チョコレートにかける予算は軒並み前年比アップしています(プランタン銀座調べ)。『お取り寄せ』や『有名パティシエ』等の単語を聞かない日はない今、百貨店の催事場でスイーツフェアが開催されれば、開店前から血眼の人々が行列を作ります。並んでいるスイーツマニアによれば、自分用の“ごほうびチョコ”に一粒300円は当たり前なんだとか。六本木ヒルズでは一粒3,000円の黒トリュフショコラも発売されるというから驚きです。3,000円あれば『チロルチョコ』が何個買えることか!

 また、森永製菓が新たな試みとして、男性から女性にチョコレートを贈る“逆チョコ”を提案しました。名前の通り、既存のパッケージを反転させたデザインで売り出すのは『ダース』他3種類の商品。会社やご近所付き合いでの “世話チョコ”、主に中高生が友達同士で交換する“友チョコ”に続き、市場の飽和を許さぬ販促は吉と出るか凶とでるか。要注目です。

 一粒3,000円のチョコレートが発売されたかと思えば、その一方で一箱120円のチョコレートの販促企画がある。価格帯も商品ラインナップもますます広がりを見せるこの市場、チョコレートの予算がアップするのも納得です。

 とはいうものの、昨今の節約志向もあり、今年もチョコレートのレシピ本は多種多様。出版業界でも、乙女の皆様を応援しないわけにはいきません。

 とにかく量を作りたい中高生なら「友チョコ&友スイーツ 手作りレシピ」(主婦の友社)が目にも楽しいし、好調な「作ってあげたい彼ごはん」シリーズ(宝島社)のバレンタイン版「作ってあげたい彼チョコレート」(同)は少ない道具・予算でできるレシピが初心者に優しい。例年より豪華にするなら「とっておきのチョコレートのお菓子」(成美堂出版)の表紙を飾っている特濃チョコレートケーキにぜひ挑戦していただきたい!


 そうそう、“もう一押し”が欲しい方にはメッセージブックもオススメです。
 大人の絵本「わたしはあなたのこんなところが好き。」(ポプラ社)やフォトブック「スキ。」(PHP研究所)には、日常の中にある恋の風景が赤裸々に記されています。チョコレートとともに贈るもよし、こっそり読んで前日にひとり奮起するもよし。

 いくつもの言葉を探し、並び替えては捨て、並び替えてはまた拾い集め、最後まで残った連なりをまとめたものが本です。今年は『たくさん読むこと』に加え、節目節目で自分の周りに本を贈ることが目標のひとつ。普段言えない感謝の気持ちも、著者の声や物語の風景に込めてしまえば、伝えることができるかもしれません。書店店頭で、誰かのためにアレコレ悩むのもまた一興。もしかしたら下手に何か言ったり、それこそチョコレートを渡すことなんかよりも、ストレート過ぎて余程恥ずかしいかもしれませんが…。

(河原いづみ)

(2009/1/30)

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