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第5回 「春一番吹くこの季節、一番の暴君は…」

 インフルエンザが猛威をふるっておりますが、皆様の周りは大丈夫でしょうか?

 国立感染症研究所の発表する『インフルエンザ流行レベルマップ』によると、2009年第6週・2月12日現在、日本列島は真っ赤に染まっています。
 かくいう私も、インフルエンザこそまぬがれたものの(ワクチンの効果あったか?!)、先週は風邪でダウンしておりました。しかし、ようやく風邪が癒えた今週になって、今度は別の要因によりマスクとティッシュを手放せない状況になってしまいました。

 そう、花粉症です。


 今月4日、山梨県で早々にスギ花粉の飛散が確認されました。飛散開始日は過去10年間で最も早く、総飛散量も昨年の約1.3倍と過去10年間の平均値を上回りそうだとか。
 日本人の3人に1人が抱えるアレルギーの中でも、花粉症は国民病と呼ばれるほど多くの患者数が確認されています。ちなみに、花粉症に関しては小学生からのキャリアを持つ私は、毎年1月末から早め早めに薬を服用して対処しています。

 ところが、タミフル耐性化インフルエンザがあるように、今年の花粉症は手ごわい!
 例年通りに薬を服用し始めたにも関わらず、マスクで覆っている顔全体がムズムズ、目はウルウル、鼻はグジュグジュで、日によっては頭もガンガン…。
 (もし弊社にお立ち寄りの際に私を見かけても、生暖かい目で見守ってくださいね)
 昨年、一昨年はかなり順調に乗り切れていただけに、この状況には戸惑いを隠せません。

 患者数の増加にともない社会問題化している花粉症ですが、そもそもこんなに花粉症が蔓延した原因とは、一体なんなのでしょうか? 

 戦後の高度経済成長の中で、どれだけあっても足りないだろう材木として、成長が早くまっすぐに伸びることから白羽の矢がたった杉。しかし、大量に植林されたものの実際に使うことができるのは、何十年も経ってからです。そんな杉がやっとこさっとこ立派に育ったと思いきや、今では外国の木材の方が安く手に入るほか、不況のため、家自体を建てること自体が少なくなり、ほとんどが使われずにそのまま残されているのです。

 スギ自体の量が多すぎるというのも想定されるひとつの原因ですが、日本人の体質そのものが変わってしまったのかもしれない、という説もあります。体外からの異物に対する免疫力の低下や、食生活の変化、ストレスの影響などが、次々と花粉症患者を生み出したり花粉症を悪化させたりしている可能性がある、という研究結果も発表されています。


 面白い本を紹介します。

 「花粉症は環境問題である」奥野修司/文藝春秋 文春新書
 花粉症は、人工的に作られた環境によって大量に発生したスギ花粉が原因の公害だ…という考えのもと、戦後の植林・林業の失政や失策について言及したり、大量の花粉を飛ばさないための森作りについて検討したりされています。

 この本で“花粉症の対策と治療のために毎年20万円近くのお金がかかっている”という一文を読んだ時には、私も無意識に電卓を握りしめたものです。
 (私はスギとヒノキの両方に悩まされているので、花粉症の時期がとても長いのです…)
 不況のせいにして大量のスギを放置するでもなく、とりあえず全部伐採して花粉の出ないスギに植え替えろというでもなく、『広葉樹植林作戦』など新しいアプローチで花粉症の解決を考える内容には、思わずうならせられます。


 とはいえ、どんな解決方法を知ったとしても、残念ながら一朝一夕でどうにかなるものではありません。インフルエンザも花粉症も、大事なのは予防。マスクを着用し、手洗いうがいはもちろんのこと、家の中に持ち込まないように玄関先でウィルスや花粉を落として家に入るなど、できることをこまめにすることが一番の予防策となりそうです。
 皆様も、どうぞお気をつけてお過ごしください。

(井出涼子)

(2009/2/20)

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