日本出版取次協会は5月26日、東京・千代田区の出版クラブビルで第2回出版社向け説明会「出版配送の現況と課題〜今、起きていること〜」を開催。昨年7月23日開催の第1回からさらに踏み込み、運賃が高止まりして今後も上昇する予見があることを改めて訴えた。
出版流通改革委員会の田仲幹弘委員長(トーハン)は「出版業界をひとつの会社としてみた時、トップライン(売上げ)を上げるしかない」と方向を示した。
田仲委員長は、「売上げは『単価×販売数』だから、単価の見直しをお願いしている。一方で、販売会社としては売る努力も行わなくてはならない」と述べ、「上野の森親子ブックフェスタ」の盛況ぶりを例に、取協でも関係団体と連携して書籍のジャンル別にイベントを行うなど、「やれることはあると思っている」と力を込めた。
当日は同委員会の河村学委員(日本出版販売)が出版配送の沿革と概要、現在の課題と将来的なリスクなどについて解説。茂呂俊明委員(トーハン)が、よく聞かれる質問に一問一答形式で回答した後、「出版社からの意見も聞きたい」としてダイヤモンド社の井上直取締役と対談した。
写真=田仲委員長