第24回 国語教育と小説

 2018年に告示された学習指導要領が、22年度から実施となる。国語の「選択科目」は「国語表現」「現代文」「古典」という枠組みから、「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」に変更されている。
 18年当時はこの変更で、より実用的な文章を教材にした授業が増えると予想されていた。21年開始の大学入学共通テストでは、「実用文」を導入した問題が重要になると目されていたからだ。
 「文学国語」は、大きく分けると小説と随筆で構成されている。随筆は小説よりも「実用文」に近い。そのため、随筆が教材として多く使用されるようになり、授業のなかで、小説と出合う機会が減るのではないかと懸念されていた。
 20年の文芸書の売上げ規模は、06年の約5割となった。4割に落ち込んだ雑誌に次いで、減少幅の大きいジャンルとなっている。指導要領改訂後の子どもたちが大人になった時、どのような影響が生じるか気がかりである。
 12月4日、文部科学省が22年度の高校の教科書採択結果を公表した。指導要領の意図を汲み取り、多くの版元が実用的な文章教材を中心とした教科書に切り替えたなか、小説を多数掲載した第一学習社の教科書が採択数でトップとなった。
 「読書」と「読解」の違いはどこにあるのか。現場のニーズと指導要領のズレを垣間見ることができる。現在検討されている「子どもの読書活動の推進に関する法律」の改正がどの方向にすすんでいくのかにも注視したい。
(本紙「新文化」2021年12月16日号掲載)

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