第42回 悩み多き日々

 円安やエネルギー価格の高騰など様々な要因による物価高が続いている。
 僕が役員を務める書店「北上書房」(岩手・一関市)ではこれまで、効率化を図り、経費を削減するべく努力してきた。しかし、水道光熱費、資材費、運搬費の顕著な上昇が削減分を帳消しにしてしまい、途方に暮れている。地方の小さな書店では、店売よりも外商の売上構成比が高い。そこにガソリンの価格の高騰である。
 本をお客さまに届けるための間接経費とにらめっこの毎日だ。
 そんななか、各都道府県の労働局から令和4年10月1日以降の地域別最低賃金が官報公示された。岩手県では33円という予想以上の最低賃金の引き上げ。労働者の立場においては喜ばしいことではあるのだが、経営者の立場としては非常に難しい局面を迎えていることを痛感している。
 支出が増え続けるのとは裏腹に、売上げの回復が望めないことも悩みを大きくする。
 コロナ禍で進んだ公共図書館の電子書籍導入の影響により、紙の本の購入予算も減少傾向にある。図書館の電子化が進み、これまで様々な理由で来館することが難しかった人や、電子コンテンツで本を読む若年層の利用増に貢献しているという。その実績を拝見すると、意義深いことだと感じている。
 一方でその分、紙の図書の購入予算は減少する。さらには教科書のデジタル化に続き、学校図書館にも広がりつつあるという現実がある。どこまで持ちこたえることができるのか。悩み多き日々である。
(本紙「新文化」2022年9月22日号掲載)

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