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本屋の新井です
第55回 岐阜初上陸!
初めてJR岐阜駅に降りると、三省堂書店の大きな看板が目に入った。そうか、駅ビルとは聞いていたが、こんなに便利で目立つ場所にあったのか。隣にはスターバックスがあり、すでに賑わっている。書店は開店時間前だが、スタッフが準備 […] -
失われた屋号を求めて
第29回 リミッターを外す
ホームに降り立つとすぐ、むっと暑い空気がまとわりついてきた。改札階へと続く階段を一段、一段のぼっていく。すぐ目の前に知らない人の背中があって、無意識に距離を取る。人との距離に敏感になった。 駅を出て、今日はどのルート […] -
ヤングアダルト最前線
第7回 「5分後に意外な結末」の面白さ、学研プラス・目黒哲也氏に聞く・下
前回登場いただいた学研プラス・コンテンツ戦略室の目黒哲也氏は「5分後に意外な結末」シリーズのほかにも、一般書の「マナーとコツ」シリーズ(累計160万部)、小学生向けの「最強王図鑑」シリーズ(同150万部)、学参の「マド […] -
本屋の新井です
第54回 旅先の朗読会
旅先の旅館で、うっかり本を忘れて退屈していると、友人が詩集を持って来たというので、朗読することになった。 作者を直接知っている友人は、その詩人がどんな姿をしていて、普段はどんな言葉遣いをするのかを知っているので、どう […] -
本屋の新井です
第53回 3年越しの手紙
三浦しをんさんの小説『ののはな通信』(KADOKAWA)が文庫化した。あれから3年の月日が経ったのだ。私は当時、今とは別の書店で働いていた。 仕事帰りに単行本を買って、喫茶店で読み始めた『ののはな通信』は、同じ女子校 […] -
失われた屋号を求めて
第28回 回復したい生活
去年の6月に姪が生まれた。すぐにでも会いに岩手県の実家に帰省したかったけれど、増え続ける東京の感染者数は持病を持つ両親に不安を与えると思い、様子を見ることにした。その時は、お盆は無理でも年末年始には安心安全に帰省できる […] -
ヤングアダルト最前線
第6回 「5分後に意外な結末」の面白さ、学研プラス・目黒哲也氏に聞く・上
2013年に刊行を開始した学研プラスのショートショート・シリーズ「5分後に意外な結末」は、シリーズ累計が350万部超。学校読書調査や朝の読書で読まれた本などの小中高生向けランキングで、上位に入る常連であり、「○分で×× […] -
本屋の新井です
第52回 精神世界を移動させたい
寝入りばな、知人からLINEで写真が送られてきた。 【こちらには、精神世界が移動してきます。】と印字されたコピー用紙を、4枚も貼った柱が写っていて、狂気を感じる。 アカウントを乗っ取られたのかと警戒したが、よく見る […] -
ヤングアダルト最前線
第5回 20年読み継がれる唯一の〝ラノベ〟、「キノの旅」はなぜ人気なのか?
2000年に刊行が始まった、時雨沢恵一「キノの旅」シリーズ(電撃文庫、KADOKAWA)は、「学校読書調査」や「朝の読書で読まれた本」を見る限り、20年以上にわたって中高生に読まれ続けている唯一のライトノベルである。 […] -
ヤングアダルト最前線
第4回 西尾維新「物語」シリーズの魅力、〝軽さ〟と〝重さ〟の両立
学校読書調査の「中高生が読んだ本ランキング」に、10年以上にわたって入り続けているライトノベルは、川原礫「ソードアート・オンライン」(KADOKAWA)と西尾維新「物語」シリーズ(講談社)、20年以上となると、時雨沢恵 […] -
ヤングアダルト最前線
第3回 中高生が支持する作家・住野よる、作品の特徴と理由を探る
2010年代後半以降、中高生にもっとも支持されている作家は、住野よるである。学校読書調査や「『朝の読書』(学校)で読まれた本」を見ると、16年には『君の膵臓をたべたい』(通称「キミスイ」、15年6月発売)がランクインし […] -
ヤングアダルト最前線
第2回 定着した〝サバイバルもの〟人気、現実との類似と乖離がポイント
高見広春『バトル・ロワイアル』(太田出版→幻冬舎)が1999年に刊行されると、「中学生がクラスメイト同士、殺し合う」という設定が物議を醸した。『バトロワ』型の「デスゲーム」や、極限状況での生き残りをかけたサバイバルもの […] -
ヤングアダルト最前線
第1回 YA世代の読書の実際を探る、注目すべきは中学生市場
本連載では、いわゆるヤングアダルト世代(13~19歳)が、実際にどんな本を読んでいるのかについて論じていく。第1回は、その前提となる中高生の読書環境について整理してみたい。 小中高校生の平均読書冊数、不読率(1冊も本 […] -
ヤングアダルト最前線
著者プロフィール:飯田一史氏
飯田一史氏 ライター。 文芸とサブカルチャーを中心に取材・執筆を手がける。 著書に『いま、子どもの本が売れる理由』(筑摩書房)、『マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?』(星海社新書)、『ウェブ小説の衝撃』(筑摩書房)など […] -
失われた屋号を求めて
第27回 口笛と楽器
サンキューもソーリーも、当たり前のように使い過ぎていて、「ありがとうはサンキュー」といちいち日本語から英語に翻訳することなく使いたい場面で自然と口をついて出てくる。 最初に使い始めたきっかけも、それがいつなのかも覚え […] -
本屋の新井です
第51回 わかっていてもいなくても
3度目の緊急事態宣言により、勤め先の書店が休業していたため、今回は、その間にしていた、もうひとつの仕事の話である。 ストリップのステージは、通常15分程度だ。演劇やコンサートに比べると短いように思えるが、たったひとり […]