第121回 26年の予想

来年2026年は、出版物流が抜本的な改革を迫られる一年になりそうだ。

出版物の運賃は他業界と比べて低い水準に設定されており、低運賃が出版物流を支えているのが現状である。出版物の国内流通額が下げ止まらないなか、価格決定権者である出版社は出版物の大幅な値上げに踏み切ることができない状況にある。出版物の価格は上昇傾向にあるが、資材費や人件費の高騰に起因するものであり、他業界と比べても値上げ幅は低い。

トラック新法で規定され、3年以内に施行されることから、おそらく28年4月からは運賃・料金の適正原価が義務化されることになる。施行されれば、配送運賃は現状の約2倍になるとの試算もある。

書店に本が届きにくくなる可能性があり、新刊発売の遅れが生じる地域が発生すると危惧されていた〝物流2024年問題〟については、実際に遅延が発生した地域はあったものの、関係各社の努力により、全国各地の書店に毎日本が届く当たり前の光景を維持することができている。

書店業界は近年、書店文化を守ることを旗印に働きかけを続けてきた。

だが、書店・出版関係各者は、国の動きや支援を活用できたか――それは、この間の結果をみれば明らかだろう。

一方で、こんな時代だからこそ、従来の物流に固執しない、新しい出版流通と出版の形が生まれてくるのではないか。それがどんな形なのかは僕にはわからないが、確実にこれまでとは違う出版の形が広がりつつある状況に期待しているところである。

(本紙「新文化」2025年12月25日号掲載)

著者プロフィールはこちら