東京五輪・パラリンピックのスポンサー選定を巡る汚職事件で贈賄罪に問われたKADOKAWA元会長・角川歴彦氏の公判が9月3日、東京地裁であった。弁護側の最終弁論が行われ、改めて無罪を主張。角川氏は最終意見陳述で「これは冤罪です。私を令和の袴田(巌)さんにしないでください」と述べて結審した。判決は来年1月22日に言い渡される予定。
公判で弁護側は「客観的証拠としては、角川氏の故意や共謀を裏付けるものは存在しない」と主張。「角川氏は報告決裁ライン上になかった」とし、共犯者とされる人物の供述については「録音録画記録により、長時間の取り調べのなかで検察官の思惑に従う方向に供述を変容させられていったことが明らか」と指摘した。
公判後に都内で開いた記者会見で角川氏は、「証拠もなしに証人だけで立件できるのかと、一般人として違和感を感じる。立件のハードルが下がると、無辜の人たちがある日突然逮捕されたりすることが起こってくるのではないか」と所感を述べた。
写真=角川氏