トーハンの近藤敏貴会長は9月11日、札幌・中央区のニューオータニイン札幌で行った第58回「北海道トーハン会」の席上で、出版配送の現況を語った。雑誌送品部数の減少や物流コストの高騰に加え、来年4月施行予定の「トラック新法」により、出版配送を維持できるのは「本当にあと数年」と述べ、「現状のままでは不可能だということと、出版業界全員に関わる喫緊の課題ということを認識してほしい」と訴えた。
同社では流通改革の一環として今後、仕入・配本プラットフォーム「en CONTACT」での事前受注とデジタル印刷の拡大、コンビニ向けの新商材開発、雑誌返品の現地古紙化、データ入帳による返品、輸送ルートの最適化、物流協業の拡大に取り組む。データ入帳による返品については来年からセイコーマートと行い、検証していく。近藤会長は「(将来的には)現物返品ではなく、データでのやり取りになるという前提で協力してほしい」と語った。