昨年、政府の骨太方針に初めて、「書店と図書館等との連携促進等を含む文字活字文化の振興」が盛り込まれてから、NPO法人読書の時間では、各自治体の公共・学校図書館関係団体からの書店との連携についての講演依頼が増え続けている。
7月23日に開催された福島県高等学校司書研修会県大会も、学校図書館と地域の書店との連携が主なテーマだった。県下の高等学校から60名の司書が、地域の書店さんから15名の書店員が参加し、学校司書と書店員が一堂に会しての開催だった。書店員が参加しての開催は今回が初めてということで、全国的に書店と図書館との連携を模索する動きが広がっていることを実感した研修会だった。
前半は、僕から書店と図書館が連携することで何を目指すのか、ビジョンを明確にすることの必要性をお話させていただいた。続いては、岩瀬書店の遠藤拓弥氏と西沢書店の松本照美氏による事例報告があった。これまでの書店の取組みを報告するだけではなく、より緊密な連携の必要性を訴えられていたのが印象的だった。
続いて、8班に分かれてのワークショップでは、司書の皆さんが抱えている悩みや、やりたいけど実現できない読書推進活動について率直な意見が多数挙げられ、それに対して書店員がそうであればこんなことができるのでは、という議論が活発に行われていた。非常に興味深い施策について議論が進んでいる班もあり、今後の連携の行方が楽しみでならない。
このような場が全国に広まってほしい。
(本紙「新文化」2025年7月31日号掲載)