6月10日に7省庁および機関の連名による「書店活性化プラン」が発表され、骨太の方針でもこのプランの推進が盛り込まれた。
これに基づく施策として、文部科学省と文化庁は、地域における文学・活字文化振興モデル構築事業や、図書館と学校図書館、書店を含む地域の様々な関係機関の連携協働による「読書」を通じたまちづくり推進事業を実施するなど、具体的な取組みがなされている。
同16日には、「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」(書店議連)の総会において、書店振興関係施策の拡充を求める決議がなされ、書店振興プランが本格的に動き出してきた。
政府や関係省庁が、読書活動を支える地域の身近な書店は、気軽に訪れることのできる夢のある空間であり、地域の重要な財産としてしっかりと守っていくべきもの、と定義する一方、書店や書店街は、世界に誇る日本文化・コンテンツの発信拠点ともなり得る重要な場所である、というこれまでとは違う意味合いで、書店の存在が必要だと強調しているのは、重要なポイントだろう。
施策としては、RFID導入支援や手数料率が低いキャッシュレスサービスの周知などを行うというこれまでの情報通りであり、目新しさは感じられなかった。一方で、当初は消耗材であるRFID導入への支援に消極的だった経産省が、書店振興プランの切り札としてRFID導入支援を謳うに至った背景にどんなやりとりがあったのかは気になるところであり、今後の導入に向けたプロセスに注目したい。
(本紙「新文化」2025年7月3日号掲載)