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本屋の新井です
第4回 ラーメンの話ではない
《ラーメンは好きじゃない》とエッセイに綴った作家を、無邪気にラーメン屋に誘う人は、残念ながらその文章を読んでいないのだろう。と思ったら、「とても面白かったです!」なんて絶賛したりする。話を聞けば、どうやら読んだことは本 […] -
失われた屋号を求めて
第3回 コスモス書店
「心配するといけないから秘密にしてって頼まれたのだけど」 長期休暇を利用して帰省した私に、母がこそっと耳打ちしてきた。お父さん、救急車で運ばれて入院したんだよ、1週間も。それでね、お酒も煙草もダメだって言われたのに全然 […] -
本屋の新井です
第3回 ないないない
1階から6階までの全てが本屋だなんて夢のようである。子どもの頃、休日に父親と八重洲ブックセンターに行って、くまなく棚を見てまわるのが好きだった。つい先日まで、私はその思い出に近い大型書店で働いていたのである。 しかし今は […] -
失われた屋号を求めて
第2回 羊水と星
秘密基地は狭ければ狭いほどいい、とは子ども時分のわたしの格言である。 近所の子たちがススキ畑を踏みしめて作り上げた巨大秘密基地の隅っこに、ひとりしゃがむのがやっとの空間を勝手に作って楽しんでいるような子どもだった。 […] -
本屋の新井です
第2回 ドレスと文学
先日開催された服飾文化学会の大会で「デルフォス」という名のドレスに使用された、特殊な生地についての研究発表があった。 博物館に勤めるその女性は「デルフォス」が一般家庭に所蔵されていると聞けば自ら足を運んで調査する。日 […] -
本屋の新井です
第1回 ご報告
よりによってエイプリルフールが三省堂書店の最終出勤日だった。ツイッターでの報告は信じてもらえず、会う人会う人に真相を尋ねられた。そこで気になったのが「辞めちゃったの?」という言い回しだ。事情を聞く前から否定的である。私 […] -
失われた屋号を求めて
第1回 てふてふ文庫
新しい出版社や書店ができるたび、なによりまず名前が気になる。つまり屋号。ひとめ見て由来がなんとなくわかる屋号もあるし、まったく見当すらつかない場合もある。 なにをつけてもいいと言われると欲が邪魔してなにも選べない。と […] -
出版記念座談会
『「出版通信」「出版同盟新聞」』復刻版 出版記念座談会
小社では、2001年12月に「新文化」創刊50周年記念事業として、「新文化」の前身である『出版通信』(1933年~39年)、『出版同盟新聞』(1940年~43年)を、『「出版通信」「出版同盟新聞」復刻版』として復刻しまし […]