第126回 図書カード配布事業の広がり

山形市は、子どもたちの読書活動を応援するため、市内の小・中学生のみなさんへ図書カード3000円分を届けることを発表した。読書の楽しさを通して、学びを大きく広げることができるよう、ぜひ書店に足を運び、お気に入りの本と出合ってほしいという想いからだ。

他にも、福岡・古賀市は、0歳~高校生年代までに1人あたり5000円の図書カードを配付し、佐賀・嬉野市では、子育て世帯支援の位置づけで、胎児・未就学児を対象に1人あたり5000円分の図書カードを配布している。また、北海道・江別市では、子育て世帯応援図書カード配布事業として0~18歳を対象に、1人5000円の図書カードを配布している。

いずれも「物価高騰対応重点支援地方交付金」を使って図書カードを配布する事業である。現金給付ではなく、使途を一定程度誘導できるギフトカードであることがポイントで、書籍・雑誌以外に、学用品や文具を扱う書店への誘客につながることから、書店支援の側面もある。

フランスで実施している文化パスを日本でも、という機運が高まった時期があったが、国が文化の対象範囲を全国一律で線引きし、運用し続ける難しさと、大規模な行政と運営主体の常設オペレーションが発生することから動き出せなかった経緯がある。

僕は、より多くの自治体が図書カード配布事業を実施してほしいし、そして、その地域に図書カードで買い物ができる店が残っていくことを願っている。

(本紙「新文化」2026年3月19日号掲載)

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