2026年10月、EHONSスタートから5周年を迎える。盛大にお祝いすべく、この1年半ほどいろいろと準備してきたのだけれど、いよいよ大詰め。毎日バタバタしている。
先日は、ある企画の商品撮影のため、代々木公園にでかけた。平日だというのに、近くの幼稚園や小学校の子どもたちが屋外学習に来ているのか、元気な声が溢れていた。小学校1年生くらいだろうか、切り株がいくつか点在する芝生に10人くらいの集団がいた。ひとりの男の子が元気よく叫ぶ。
「いすとりかくれんぼしようよ!」
歓声があがり、子どもたちは迷いなく走り出す。いすとりかくれんぼ? 初めて聞く遊びだけど……。撮影準備しながらも、興味津々だ。どんな遊びなんだろう。切り株をイスに見立てて、高鬼みたいにするとか……? 気になって子どもたちの動向をチラチラ見るのだけれど、一向に何か始まる感じがしない。そのうち数人の塊ができ、なにやら身体をぶつけ合って笑っている。もう、それだけの行動が、ただただたまらなく楽しい! みたいな感じで。うん。いすとりかくれんぼとか、どうでもいいんだな。一緒に団子みたいにくっついて、身体をぶつけ合うだけで、楽しい気持ちがおなかのそこから湧いてくるんだ。

先日、大学の先輩のコンテンポラリーダンスの舞台を観に行った。アフタートークで、今回の舞台の組み立ては、感情先行ではなく、こんなシチュエーションなら、身体がどう動くのかをまず考え、身体にあらわれる変化や衝動をもとに振り付けをつくったというお話をされていて、なんだか胸にすとんと落ちるところがあった。考えることより、感じることとよく言うけれど、感じるを頭で考えすぎていることが多い。なにか感じているとき、もうすでに身体には何らかの兆候が出ているのだ。身体の声に耳を傾けると、感じるが見えてくるかと思うと、目からウロコだった。
『しっぽがぴん』(風濤社、おくはらゆめ作)は身体と心がつながっていく、気持ちがいい絵本。きつねのしっぽが「ぴん」とあがり「たらり」とさがる。いろいろな動物たちもリズムにのって「ぴんたらり」。身体の動きに感情が乗ってゆくこの感じ。ああ、これなんだな。
「ぴんも たらりも あっぱれよ」と締めくくられるエンディングもめでたい。
結局、いすとりかくれんぼってなんだったんだろう。いつか体験できるかな。その時は全身で楽しみたい。
(本紙「新文化」2026年7月2日号掲載)

