第74回 書店減少の現実

令和6年能登半島地震により被害に遭われた皆さまへ、心からのお見舞いを申し上げます。そして、ご家族や大切な方々を亡くされた皆さまへ、謹んでお悔やみを申し上げます。今なお余震が多発し予断の許されない厳しい状況が続いているとの事ですが、一日でも早く落ち着くことを願っております。

こんな時だからこそ、少しでも明るい話題を取り上げたいのだが、今年に入ってからの書店の閉店・廃業の報せのあまりの多さに、この話題を取り上げざるを得ない。書店数の減少はここ20年近く続いており、年間で数百店の減少が常態化している。その流れは2023年も食い止めることができなかった。

手元の集計では、昨年の閉店または廃業した書店は669店にのぼり、24年には売場をもつ書店の数が7000店台に突入することが確実な状況となっている。

紙媒体の市場規模全体の縮小、とくに雑誌とコミックの売上げ低下が、堪えきれないほどの影響を及ぼしている。書店数の減少は、配送効率の低下を引き起こし、出版物流の根幹を揺るがしかねない状況になるのではないかと心配している。

考えを巡らすが、業界の隅に身を置く僕にできることはなく、いま店頭に足を運んでいただくお客様に、本を届け続けるために努力をすることしか浮かばなかった。

今年は、「小売業として原点に戻る」をテーマとして活動したい。業界の動向に惑わされず、ただただ店を構える地域のお客様のお役に立てることだけを考える実行する一年にしたい。

(本紙「新文化」2024年1月25日号掲載)

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