第13回 その行為は読書である

 6月は、集中的に「毎日新聞2020年度読書調査」の資料を精読する作業を行っていた。そのなかで、気になった調査結果があった。
 「雑誌を読むこと」38%、「漫画を読むこと」31%、「本を立ち読みすること」17%、「本を朗読したものを聞くこと」17%、「SNSやインターネット上の文章を読むこと」14%、「本の内容を要約したものをスマートフォンなどで読むこと」10%。
 上記は何の割合を表しているか分かりますか?
 正解は、その行為が読書であると認識している人の割合です。
 このような読書調査において、多くの場合、漫画や雑誌は除いた形で調査が行われていたこともあり、素直に目新しい切り口だと感じている。「雑誌」「漫画」を読むことを読書と捉えている人は多いだろうと推測していたので驚きはない。だが、「本を朗読したもの」「SNSやインターネット上の文章」「本の内容を要約したもの」を読書の対象として捉えている割合は想像以上だった。
 なかでも「本を朗読したもの」を聞くことを読書と思っている人は、ほぼすべての年代で、偏りがなく平均的に存在している。
 今回、選択肢に「動画」が入っていなかったが、もし入っていたら、また違う結果になっていたかもしれない。
 読書の定義が徐々に変化しつつあり、読者が読書と捉えている行為は今後も変わり続けるだろう。今こそ、その変化に柔軟に向き合う姿勢が必要だと感じている。
(本紙「新文化」2021年7月8日号掲載)

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