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第99回 8頭身と2頭身
「新井さんは2頭身だな、ハハハ!」顔が小さく、スタイルの良い8頭身の踊り子・Aさんを褒めるために、たまたまステージ上で隣にいた私が引き合いに出された。 特段顔の小さくない私を、その対比として大げさに「2頭身」と表現したの […] -
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第59回 戻ってきた学校巡回
毎年GWが終わると、書店は学校図書館の巡回をはじめる。ここ数年間はコロナ禍の影響で、提案する書籍をひとまとめにした「巡回セット」を学校にお預けし、セットとカタログから選書いただくスタイルとなっていた。 それまでは、担当者 […] -
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第98回 (仮)の志
選書に参加したフェアが気になって、三省堂書店神保町本店の仮店舗に行き、うっかり手が引きちぎれるほど本を買ってしまった。 《本は持ち運び可能な魔法です。》と掲げられた看板の下には、「持ち歩きたい本」をテーマに選書された本が […] -
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第17回 5人いる!
4月某日。久々に出張以外で新幹線に乗っていた。目的地は岩手の新花巻。大沢温泉での「鬼ヶ島通信」の合宿に参加するためだ。「鬼ヶ島通信」は新しい子どもの本の世界の構築を目指す雑誌で、佐藤さとるさんが始められた。今は編集長の那 […] -
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第58回 いわゆる〝書店〟と図書カード
コロナ禍以降、多くの自治体で家庭学習および読書活動を支援するため「図書カード」の配布が行われている。図書カードで購入できるのは出版物のみとされているが、出版物の定義の判断は、各加盟店に委ねられているため、店舗ごとに書籍以 […] -
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第49回 新しい季節
休み明けに出社したら、転職のために辞めたYさんから「お世話になりました」の言伝とプレゼントが残されていた。封を開けてみると、鮮やかなオレンジ色の布巾だった。 贈り物は消耗品や食べ物などの消えものがいいと言われるけれど、布 […] -
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第28回 読者層広がる「~銭天堂」、絶妙なバランスで中学生も取込む
廣嶋玲子「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」(偕成社)は、小学生だけでなく、いまや中学生にも人気のシリーズだ。とはいえ小学生と中学生では当然、読書に求めるものが異なる。だから同じ作品を読んでも、反応する部分は違うはずである。 一般的 […] -
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第97回 怪しい肩書き
書店員の肩書きが無くなると、踊り子とエッセイストという、できれば近付きたくない感じの人になってしまった。実際そんなことはないのだが、人前で裸になる非常識な人と敬遠されても無理はないし、物書きなんぞに近付いたら何を書かれる […] -
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第57回 農村と読書そして書店
一般社団法人家の光協会の農村読書調査をご存じだろうか。1946年から毎年7月に月刊誌・週刊誌・書籍の読書状況や購読状況、新聞・テレビの接触状況などを調査し、その結果は「農村と読書」としてまとめ、公表している。日本に多々あ […] -
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第96回 仕事で落下
ついにやってしまった。本番中、劇場のステージから落下。余興で着た借り物のドレスの裾を踏んでしまい、つるっと滑ってぽーんと背中から客席にダイブしたのである。 着地した瞬間は息が詰まったが、恥ずかしさのあまり、何事もなかった […] -
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第27回ゲーム発のノベル「星のカービィ」、なぜ中1男子に人気なのか?
角川つばさ文庫から刊行されている小説版「星のカービィ」(高瀬美穂作、苅野タウ、ぽと絵)は、小学生のみならず、中1男子にも人気がある。 「星のカービィ」は、1992年から続く、任天堂のアクションゲームのシリーズである。だが […] -
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第16回 明日私が死んでも
新規の出店が続いている。とは言っても私はほとんど何もしていなくて、頼もしい各店児童書精鋭メンバーが奮闘している。児童書の統括チーフなんて肩書がついているくせに、もっぱらEHONSに時間を取られている私は、メンバーからのメ […] -
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第56回小さなまちの小さな店
私事で恐縮ですが、この度、父が他界しました。家業である本屋を廃業した後は、残念ながら仲が良いとは言えない親子関係ではあったが、地方における本屋の可能性と続けることの厳しさを教えてくれた人は、父だった。 小さなまちの小さな […] -
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第95回 ごった煮の味
好きな書店は? と聞かれれば、「八重洲ブックセンター本店」「明正堂アトレ上野店」「三省堂書店有楽町店」の3店舗を挙げていたが、気付けばもう、そのうちのひとつしか残っていない。 お気に入りの小さな書店はいくつか増えたが、私 […] -
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第55回 企業版ふるさと納税について
書店と連携した企業版ふるさと納税活用の試みが始まっている。茨城県つくば市は4月1日から、コーチャンフォーつくば店で児童書を購入すると寄付金がつくば市に還元される仕組みを、リラィアブルと連携してスタートした。つくば市はこの […] -
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第26回 米澤穂信〈古典部〉シリーズ、男子高校生にも読まれる理由(下)
米澤穂信〈古典部〉シリーズ(以下〈古典部〉)は、2010年以降現在に至るまで、10年にわたり学校読書調査上で、高校生男子に人気の学園ミステリー作品である。 このシリーズでは思春期らしい自意識が描かれ、終盤にどんでん返しが […]